幼なじみ

いや・・・そんなこと言いたいんじゃない!
こうでも言わなきゃ、雪奈はここから離れない。
だから言ったのに・・・雪奈なら後で話せばわかってくれるって思ったから・・・

雪奈の悲しむ顔を見たくないって言いたいのに・・・
なのに・・・なのに雪奈は涙を流しながら走って行ってしまった。

雪奈を悲しませるようなことしか出来てねぇのは、俺なのか?

雪奈を追いかけて行く門脇の後ろ姿を見ながら、俺は思った。

俺も門脇のように、素直になれたら・・・
雪奈・・・こんなに雪奈のことが好きなのに・・・
俺が、雪奈を傷つけてしまったんだ・・・


一気に戦意をなくしてしまった俺は、

「悪かったな。」

と、ひと言言って、その場を後にした。


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