幼なじみ
屋上へ着くと、何でも話してと言った門脇に、雪奈が克哉が好きだったことを話していた。フられたけど、幼なじみでもいいから、そばにいれたらそれで良かったと・・・
すると、話しながら泣いている雪奈を門脇が抱きしめた。
「雪奈ちゃん、こんな時に言うのズルいとは思うんだけど・・・昨日、俺、雪奈ちゃんのこと好きって言っただろ?俺、雪奈ちゃんが須原を好きでも構わない。須原を好きなのもひっくるめて雪奈ちゃんが好きだ。だから、今はまだ須原を好きでもいい。雪奈ちゃん、俺と付き合って・・・」
昨日のことって、このことだったのか・・・
門脇の言葉に、それはダメだと言った雪奈に優しい顔で話しかけた門脇は、
「俺、泣いてる雪奈ちゃんを見たくない。俺、雪奈ちゃんを1人にしたくない。俺、雪奈ちゃんを笑わせたい。俺、須原を忘れさせてみせる。」
と言って、また雪奈を抱きしめ・・・
「ね?雪奈ちゃん、付き合おう・・・」
そう言った門脇に、黙って頷く雪奈。
ウソだろ・・・雪奈・・・
俺は、中学のあの時、雪奈の幸せよりも自分の気持ちを優先させてしまったことを、この時本当に本当に後悔したんだ。