幼なじみ

克哉side


昨日はあれから、雪奈とは学校ですれ違うことすらなかった。
もしかしたら、雪奈が俺のことを避けてるのかもしれない。

放課後、雪奈に会えなくてイライラしながらも雪奈を迎えに行こうとしていた俺に、健介が衝撃の事実を知らせてくれた。

「雪奈を迎えに行っても、もういないよ。雪奈、門脇と付き合うことにしたらしいから。」

何?!ウソだろ?

「俺、言っただろ?後悔しても遅いんだぞって!何でお前、あんなこと言ったんだよ!」

「あんなことって何だよ?」

「雪奈に言ったろ?お前の顔なんかもう見たくないって!雪奈、あの言葉に傷ついてた。傷ついて泣いてたんだよ。それを門脇が慰めてた。お前、何やってんだよ!!」



家に帰ってからも、健介の言葉が頭から離れない・・・

雪奈が・・・他の男と付き合うなんて・・・

「けっこんしようね!」

あの幼い頃の約束を思い出して、俺は、気づいたら涙を流していた。


< 143 / 246 >

この作品をシェア

pagetop