幼なじみ

その言葉に顔を上げると、健ちゃんの優しい目がそこにあった。
その瞬間、ずっと我慢していた涙が一気に溢れてきたあたしは、声を出して泣いてしまったんだ。
そして、両手で顔を覆って泣いてるあたしを、健ちゃんは黙って抱きしめてくれた。

「あたしね・・・かっちゃんのことが・・・まだ好きなの・・・かっちゃんが・・・あたしのこと・・・好きじゃなくても・・・それでもいいと思ってたの・・・幼なじみでもいいって・・・そばにいられたらいいって・・・でも・・・かっちゃんは・・・あたしのこと嫌いなの・・・そばにいられないの・・・でも・・・顔も見たくないって言われても・・・あたしは・・・かっちゃんじゃなきゃ・・・ダメなの・・・かっちゃんと・・・会えなくなってから・・・ご飯食べれないの・・・夜も眠れないの・・・寝ても・・・夢見るの・・・夢でかっちゃんに・・・嫌いだって言われるの・・・だから怖くて・・・眠れないの・・・」

そこまで言ったあたしは、ふっと意識が遠のいた・・・

「雪奈!!」

そんなあたしを呼ぶ健ちゃんの声は、あたしには聞こえなかった。
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