幼なじみ
「もえか、怒んなよ・・・須原の言う通りだから・・・」
あたし達の後ろから聞こえてきたのは、門脇くんの声だった。
「どういうこと?!」
そう言ったもえかに黙っててと言った門脇くんは、あたしの方に向いて言った。
「雪奈ちゃん、昨日は本当にごめん!俺、焦ってたんだ。雪奈ちゃんが俺のこと好きになってくれるまで、俺、待つって言ったのにな・・・俺、あんなことして、ほんとサイテーだよな・・・もう遅いかもしんないけど、許してほしい。俺、雪奈ちゃんと友達に戻りたい。このまま話せなくなるなんて嫌なんだ。」
その言葉を聞いていたかっちゃんが、あたしの前に立って門脇くんを睨んで言った。
「お前、あんなことしといて、よくそんなことが言えるよな!雪奈がどんだけ傷ついたと思ってんだよ!雪奈、もう行くぞ!」
あたしの手を掴んで歩きだしたかっちゃん。
そんなかっちゃんに待ってと言ったあたしは、門脇くんに言った。
「あたしこそごめんなさい・・・門脇くん・・・またしゃべってね・・・行こ!かっちゃん!」
納得いかない顔で反論しようとしたかっちゃんの手を引っ張って、あたしは校舎に入って行った。