幼なじみ

始業式が終わって、ホームルームが終わった時、教室を出て行った女の子たちの歓声が聞こえた。

「きゃーっ!須原くんよ!須原くん!今年は何組?」

「三好くんもカッコいいけど、須原くんもやっぱいいよね~!」

はぁ・・・まただ・・・またかっちゃん、女の子たちに囲まれてるんだ・・・

そう思って肩を落としていると、廊下からあたしを呼ぶ声が聞こえた。

「雪奈、帰るぞ!」

「あ・・・うん!」

女の子たちに囲まれてても、こうやってあたしを迎えに来てくれるかっちゃん。
そんなことがすごく嬉しい反面、かっちゃんに彼女が出来たらそれもなくなるんだなと思うと、すごく寂しくなった。

いつも通り、あたしを後ろに乗せて走り出したかっちゃんの自転車。
そんなあたし達の後ろ姿を睨みつけてる目があったなんて、あたし達は全く気づいていなかった。
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