幼なじみ

門脇side


あぁ、今日も気持ちいいな~。

屋上の給水タンクの上に寝転びながら空を眺める。
俺のサイコーの昼休みの過ごし方。
いつもは静かな屋上だけど、その日は違ったんだ。

いつものように給水タンクに寝転んでいると、誰かの声が聞こえた。

「あたし、須原くんと同じクラスの鈴木奈美っていうの。今日は白石さんにお願いがあって・・・」

ん?雪奈ちゃんいるのか?

給水タンクの上からそっと下を覗くと、誰か知らない女と雪奈ちゃんがいた。

「須原くんと一緒に学校来たり帰ったりするの、やめてほしいの。須原くんの自転車に乗るのもやめて。あたし達、付き合ってるの・・・」

えっ?!マジかよ?!

「須原くん、付き合ってること誰にも知られたくないからって、あたしと一緒にいてくれないの。なのに、白石さんはいつも一緒にいて・・・須原くん言ってた。白石さんは幼なじみだから、仕方ないんだって・・・自転車乗せるの断りたくても断れないって・・・でも、あたし、嫌なの・・・須原くんはあたしの彼氏なの!だから、盗らないで!!もう須原くんに会うのやめて!お願いね!」

そう一方的に言った女は、走って屋上から出て行った。


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