幼なじみ

1人屋上に取り残された雪奈ちゃん。

「かっちゃん・・・かっちゃん・・・」

俺は、須原の名前を呼びながら泣いている雪奈ちゃんを見て、何も出来ない自分が情けなくなってきた。
今すぐ下へ降りて、雪奈ちゃんを抱きしめたい・・・
そんな気持ちと葛藤していると、しばらくして泣き止んだらしい雪奈ちゃんは、

「よし!もう、大丈夫!」

と、ぺちぺちと頬を叩いて、屋上から出て行った。


キーンコーンカーンコーン

5時間目が始まるチャイムが鳴ったけど、俺はその場から動くことが出来なかった。

須原、何で雪奈ちゃんじゃないやつと付き合ってんだよ!
雪奈ちゃんがこんなに苦しんでるのに・・・
須原も雪奈ちゃんのことが好きだったんじゃないのかよ!!
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