幼なじみ

その日の放課後、俺は1人で帰ってる雪奈ちゃんを見た。
次の日も、その次の日も・・・毎日、朝も帰りも1人の雪奈ちゃん。
でも、須原も1人だったんだ。

なんでだ?須原、あの女と付き合ってるんじゃないのか?
どういうことなんだ?

俺は悩んだ末に、三好に話してみることにした。


俺が屋上で見たことを話すと、三好は驚いていた。そして,

「門脇、教えてくれてありがとうな。」

そう言った三好に、俺は聞いた。

「いや・・・あんなことしてしまった俺が言うのもあれだけど・・・俺、雪奈ちゃんには幸せになってもらいたいんだよ。三好だってそう思ってんだろ?お前だって、雪奈ちゃんのこと好きなんじゃねぇの?」

一瞬、ビックリした顔をした三好だったけど、すぐに白状した。
雪奈ちゃんが好きだと。雪奈ちゃんと須原が付き合えない原因を作ったのは自分だと。

「今更だけど、雪奈には幸せになってもらいたいんだ。」

その気持ちが痛いほどわかった。俺も同じだから・・・

雪奈ちゃんを2人で守ろうと決めた俺たち。
雪奈ちゃんに出来るのは、これぐらいしかないからな・・・
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