幼なじみ

呆然と鈴木の行った先を見つめる雪奈を、俺は後ろから抱きしめた。

「雪奈・・・」

「かっちゃん・・・」

俺の名前を呼びながら振り向く雪奈。
その雪奈の目には涙が溢れていた。
俺は涙を拭きながら、雪奈を俺の方へと向かせた。
そして、また雪奈を抱きしめて言ったんだ。

「雪奈・・・俺・・・雪奈が好きだ。」

ウソと言って体をビクンッとさせた雪奈。

だよな・・・信じてもらえるわけないよな・・・

「本当だから。信じてもらえないかもしれないけど・・・俺、雪奈のことが好きで好きでたまんないんだよ・・・ガキの頃からずっとずっと好きだった。一度だって雪奈以外の女のこと好きになったことなんてない・・・雪奈だけが好きなんだ。」

そう言った俺に、雪奈のか細い声が聞こえてくる。

「でも・・・かっちゃん、あたしは幼なじみだって・・・あたしとは付き合えないって・・・」
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