幼なじみ
いや・・・いやだ・・・そんな話聞きたくない・・・
あたし・・・愛してるなんて・・・好きも言ってもらえたことない・・・
かっちゃん、あたしのこと好きじゃないんだもん・・・
あたしは動揺しているのを知られたくなくて、笑顔で言った。
「よ、良かったね・・・おめでとう・・・鈴木さん、かっちゃんのこと、幸せにしてあげてね・・・じゃあ・・・」
笑顔で・・・なんて言えてなかった・・・
あたしの頬には涙が流れて、止まらなかったんだ・・・
その時、
「雪奈!!!」
かっちゃん・・・なんでここにいるの?
今は会いたくなかった・・・
そう思いながらも、あたしは精一杯の笑顔でかっちゃんに言った。
「かっちゃん、おめでとう・・・今までいっぱい頼っちゃってごめんね・・・邪魔なのに、ずっとそばにいてごめんね・・・あたし、もう1人でも大丈夫だから・・・だから幸せになってね・・・」
その場から逃げるように走って行ったあたしを、かっちゃんが抱きしめた。
「は、離して!鈴木さんが見てる!ダメだよ、かっちゃん!」
そう言ったあたしに、かっちゃんが言った。
「うるさい!俺は鈴木と付き合ってなんかない!付き合ってなんかないんだ!」