幼なじみ
かっちゃんとあたしは、みんなの注目する中、自転車置き場に向かう。
手を繋いだまま歩いて行くあたし達は、1年生の女の子と男の子の2人とすれ違った。
「ねぇねぇ、あの人たちが須原先輩と白石先輩でしょ?いいな~!すごく仲が良くて・・・あたしも早くあんな彼氏がほしいよ~!」
そう言った女の子に、男の子が、
「俺がいるじゃん・・・俺にしとけよ・・・」
と言った。
「俺がお前の彼氏になってやる・・・」
そう言って、泣いて喜ぶ女の子を抱きしめていた。
「ふふっ・・・いいね・・・ああいうの・・・」
そう呟やいたあたしにかっちゃんは、
「何?雪奈も抱きしめてほしい?」
と言って、あたしを抱きしめようとした。
「もう、大丈夫だよ~!ほら、早く帰らないと、遅刻しちゃう!」
「だな!行こうか!」
あたし達は、最後の学校からの帰り道を、いつもより少し急いだ。