幼なじみ
そして卒業の日・・・
式が終わって空き教室にかっちゃんと2人。
「かっちゃん・・・あたし・・・かっちゃんのことがずっとずっと好きだったの。ただの幼なじみじゃ嫌なの・・・かっちゃんの特別な人になりたいの。」
俯いてそう言ったあたしに、かっちゃんは静かに言った。
「ごめん・・・雪奈・・・俺、雪奈は大事な幼なじみだから・・・だから・・・雪奈とは付き合えない・・・」
あぁ、やっぱり・・・
「あはっ・・・だよね~!かっちゃん小学校の時に言ってたもんね・・・あたしはただの幼なじみだって・・・他に好きな子がいるって・・・ごめんね・・・変なこと言っちゃって・・・今の・・・忘れて・・・」
どうしよう・・・ダメ・・・泣いちゃダメ・・・
「かっちゃん!明日からもまた今まで通りにしてね!じゃあね!」
「待てよ!雪奈!」
かっちゃんに笑顔でそう言ったあたしは、かっちゃんが呼び止めるのも聞かずに、涙が出る前に走って行った。