幼なじみ

「雪奈、どうした?」

「・・・・・・」

「言いたくなかったら言わなくてもいいけど・・・話して少しでも雪奈が楽になるんだったら、俺、聞くよ?俺、雪奈のこと大切に思ってるからさ・・・」

そう言った健ちゃんは、そっとあたしを抱きしめた。
その瞬間、あたしは声を出して泣いてしまったんだ。

「あたし・・・あたし・・・かっちゃんにフられちゃった・・・かっちゃんにフられちゃったの・・・」

あたしを抱きしめる健ちゃんの腕に力が入る。

「あたしね・・・バカだから・・・ずっと信じてた・・・結婚しようねなんて・・・あんな・・・あんな小さい時の約束・・・バカだよね・・・あたし・・・あたし・・・バカだ・・・」

「雪奈・・・」
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