幼なじみ

その日、病院から帰ってきたかっちゃんの家に、お母さんと一緒にお礼を言いに行った。

「克哉くん、雪奈を助けてくれてありがとうね。」

お母さんが言ったそのそばで、かっちゃんが心配で泣いてたあたし。

「ぼく、もうだいじょうぶだよ!ゆきなちゃん、ぼくのへやであそぼう!」

そう言って、かっちゃんはあたしの手を引っ張り、部屋に連れて行った。

「ゆきなちゃん、もうなかなくてもだいじょうぶだよ!」

それでも泣いてたあたしのほっぺたに、かっちゃんはキスをした。

「!?」

「これは、なかなくなるおまじないだよ!」

そうにっこり笑うかっちゃんの頭には包帯が巻かれていた。

「かっちゃん、いたくない?」

「うん!もうだいじょうぶだよ!だからゆきなちゃん、なかないでね!」

「うん・・・」


かっちゃんは、その日からあたしのヒーローになったんだ。
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