幼なじみ

「健ちゃん、ありがとう・・・」

俺の腕の中でしばらく泣いた後、雪奈はぎこちない笑顔でそう言った。

「ん・・・雪奈、もう、大丈夫か?」

本当に大丈夫か?雪奈・・・

「うん・・・健ちゃん、優しいね・・・ちっちゃい時にいじわるだったのがウソみたい(笑)」

雪奈・・・俺は優しくなんかないんだよ・・・
俺は、自分のことしか考えられないサイテーなやつなんだよ・・・

そんなことを雪奈に言えないやっぱりサイテーな俺は、笑いながら返すことしか出来なかった。

「雪奈~、もうそれは言わないでくれよな~(笑)」

「あはっ!ごめ~ん(笑)」

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