幼なじみ

次の日、久しぶりに会った雪奈は、やっぱりかわいかった。
俺の大好きなあの笑顔を、俺なんかに向けてくれたんだ。


「元気にしてたか?」

公園に向かいながらそう言った俺に、元気だったと答えた雪奈は、卒業式の日のことは忘れてと言った。今まで通り、幼なじみでいようと・・・

ごめんな雪奈・・・雪奈にこんな言葉を言わせてしまうなんて・・・

何も言えず、ただ雪奈の頭をポンポンとしてやることしか出来ない俺に、雪奈は、背が縮むからやめてと、笑いながら言った。



公園に着いて桜の下にシートを広げ、弁当を広げた俺たち。

「今日はね、あたしが全部作ったんだよ!」

「え・・・俺、胃薬持ってきてねぇけど・・・」

「もう!かっちゃん!」

「ウソウソ!冗談だって!うめぇよ!」

俺のために雪奈が作ってくれた弁当は、本当に美味かった。

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