幼なじみ

学校の近くで自転車を降りて、歩いてかっちゃんと門をくぐると、数人の女の子たちがかっちゃんを取り囲んだ。

「「須原くん、おはよう♪」」

「一緒に教室行こう♪」

まるであたしなんていないみたいな素振りの女の子たち。
気づいた時には、あたしはかっちゃんからだいぶ離れた場所を歩いていた。

「はぁ・・・」

女の子たちに囲まれてるかっちゃんを見ていられなくて、俯きながら歩くあたしの頭の上から声がした。

「俯いて歩いてると、危ないよ・・・雪奈。」

「あ、健ちゃん・・・おはよう♪」

顔を上げてそう言ったあたしに優しい笑顔で「おはよう。」と言ってくれた健ちゃんは、かっちゃんの様子を見て、

「雪奈・・・ちゃんと克哉のそばにいないと・・・ダメじゃん!」

そう言って、あたしの頭を優しく撫でてくれた。
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