ラ イ ア ー 《 嘘 》
ゼ ロ
…………
………
……
「危ねーから気をつけろよ」
「はーい大丈夫大丈夫…っう、わっ、わっ、きゃぁぁああぁ!!!!」
「わ、ちょ、おまっバカ…っ」
――ドサッバサバサバサッ
「………いったぁ…、ごめん、言われたそばから…
大丈夫? 海斗……」
女が男に呼びかける。
だが男の反応は無い。
「え、海斗っ? 大丈夫? 海斗っ!?」
女が男に必死に呼びかけていたその時、
黒い影が女の前を横切った。
「……え?」
何かと思い女は顔を上げた。
そこには――
「――俺は死神。今起きた事により、お前かそこの男、どちらかが死ぬ事になった」
――宙に浮き、女と男を上から見下ろす黒い死神がいた。
死神は愉快そうに、黒い布に覆われた体から唯一見えている、恐ろしいくらい紅い口元を歪め、ゆっくりと口を開く。
「さあ、お前は、」
地を這うような低い声が、部屋に響き渡った。
―― 愛 す る 人 か 自 分
ど ち ら を 犠 牲 に す る ? ――
Game Оver.