ラ イ ア ー 《 嘘 》
「……な、沙菜?」
考えこんでいると、
誰かに名前を呼ばれて肩を叩かれた。
驚いて、慌ててそちらを見ると。
「け、圭人…。ごめん、ぼーっとしてた」
隣にいたのは、圭人だった。
力なく笑いながら謝ると、圭人は心配そうに眉をひそめた。
「お前、何か今日元気なくない?
体調悪い? 大丈夫か?」
私の額に手を当てて、圭人はそう問いかけてきて、気づく。
…やっぱり私、
元気ないように見えるんだ。
みんなからも、そう見えてたかな。
ここで暗い顔なんて、
場違い、だったよね。