ラ イ ア  ー 《 嘘 》


「どうして、ここに…?」


恐怖で少し体がカタカタと震えている。

死神と会話しているなんて、本当有り得ない。


「俺は死神だ。何処へでも現れる。
それより、どうだ。答えは、決まったか…?」


口角の上がったままの紅い唇が音もなく動く。

声色はどこか楽しそうで、やっぱり死神だ、と思った。


「…いえ、まだ、決まってません……」


やっとのことで声を絞り出すと、
死神は、クックッと愉快そうに少し声を漏らした。




< 49 / 101 >

この作品をシェア

pagetop