ラ イ ア ー 《 嘘 》
「どうして、ここに…?」
恐怖で少し体がカタカタと震えている。
死神と会話しているなんて、本当有り得ない。
「俺は死神だ。何処へでも現れる。
それより、どうだ。答えは、決まったか…?」
口角の上がったままの紅い唇が音もなく動く。
声色はどこか楽しそうで、やっぱり死神だ、と思った。
「…いえ、まだ、決まってません……」
やっとのことで声を絞り出すと、
死神は、クックッと愉快そうに少し声を漏らした。