ラ イ ア ー 《 嘘 》
「やー、やっぱこういうときに男子は頼りになるね~」
「そうだねー」
近くにあったベンチに二人で腰掛けた後、梨帆はそう呟くと、陸と圭人が並んでいる行列に数分の間目を向けていた。
物憂げな目をして、見つめるように…。
「…梨帆?」
「っえ、あ、何? どした?」
私が話しかけると、梨帆は少し慌てたような素振りをしてから、
いつもの梨帆に戻った。
だから、私も、深く追求することはなかった。