ラ イ ア  ー 《 嘘 》


「あのさっ、みんな…」


私は嫌な心臓の音を掻き消すように
大きめの声でそう言った。

出した声は、少し震えていた。


「どーした?」

「なーに? 沙菜」

「どーかしたか?」


みんな、不思議そうな顔で私を見ている。


…くよくよするな、自分。


もう、決心した でしょう?


「…最後に…、観覧車、乗らない?」




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