ラ イ ア ー 《 嘘 》
…
「――あれ? 意外と並んでないね。観覧車」
「王道中の王道なのにな」
梨帆と圭人が少し意外そうに、観覧車に並んでいる人達の列を見て言った。
最後尾には、
≪ただいま45分待ち≫と書かれたプラカードを持っているお姉さんが立っていた。
「でも、45分待ちなんだ」
自分でぽつりと呟いて、思う。
――45分。
ここで45分待って、10分観覧車に乗って。
そうしたら、
私に残される時間は、あと、20分…か…
そこまで考えて、私はぶんぶんと首を横に振った。
…さっきから、こんなことばかり考えてしまう。
乗れるのは、もう、
観覧車が最後なんだから。
ちゃんと、楽しんで…終わろう。