ラ イ ア  ー 《 嘘 》


「うわぁ…意外と高いね」

「何? 沙菜怖かったり?」

「違うよっ、平気ですー」


圭人が軽く茶化してきて、笑って返す。

高いところはちょっと苦手だったけど、

今は怖くなんて無い。


むしろ、このまま時間が止まってしまえばいい。


――観覧車から降りた後のことを考えれば、

高いところなんて、怖くもなんとも、ないから……。




< 75 / 101 >

この作品をシェア

pagetop