ラ イ ア  ー 《 嘘 》


明るく温かいオレンジ色の景色と海の輝きを、しっかりと目に焼き付けるように見る。


「最後にこんな綺麗な景色、見れて良かったなぁ…」

ポツリとひとり言のように呟いた私に、みんなが声を返す。


「おお! やっぱ最後のシメは観覧車で正解だったな!」

「ほんとほんと! 最後に綺麗な景色見れて良かったね!」

「ああ、乗れてよかったな。沙菜の提案で」


鼻がつんとして、じわ、と涙が出てきた。

声を出したら涙声になりそうで、私はただ黙って首を縦に振った。


――違うんだ。

みんなが言っている“最後”と、

私の言っている“最後”は………





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