ラ イ ア  ー 《 嘘 》


ゆっくりと目を開いて、もう一度目に焼き付けるように外の景色を見た。

この景色を、私はきっと忘れない。


――私もみんなも、
景色の方を見ていたから、

頬を伝った一粒の涙は、

幸い誰にも気づかれなかった。




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