ラ イ ア ー 《 嘘 》
――…
「わー、もうすでにちょっと暗いね。早かった~」
――観覧車から降り、数歩歩いたところで、梨帆が空を見上げて呟いた。
「ほんとだな」
私も釣られるように空を見上げる。
冬は暗くなるのが早い。
さっきまでオレンジだった温かみのあった空は、暗めの紫と紺色のグラデーションが混じって、星がぽつぽつと現れ始めていた。
まるで、“今日”という時間の、終わりを告げる合図かのように。