ラ イ ア  ー 《 嘘 》



――…


「わー、もうすでにちょっと暗いね。早かった~」


――観覧車から降り、数歩歩いたところで、梨帆が空を見上げて呟いた。

「ほんとだな」


私も釣られるように空を見上げる。

冬は暗くなるのが早い。

さっきまでオレンジだった温かみのあった空は、暗めの紫と紺色のグラデーションが混じって、星がぽつぽつと現れ始めていた。


まるで、“今日”という時間の、終わりを告げる合図かのように。




< 80 / 101 >

この作品をシェア

pagetop