ラ イ ア  ー 《 嘘 》



「梨帆! 陸! 圭人!! どうして…どうして…っ?!」


――私の目の前の三人が、三人の姿が、透けていた。

三人の透けた体の向こうに、薄らと後ろに続く道が見えていた。


下を見る。

繋がれた手。透けていないのは一人――そう、私だけ――。

三人の手を掴もうとしてみても、つかめない。まるで空気のように通り過ぎてしまう。


何が起こっているのか、理解ができなかった。




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