ラ イ ア ー 《 嘘 》
「…なんで……、」
最初にそう呟いたのは、
梨帆だった。
「一体…、一体どうなってんのよ!!! 話が違うじゃないの!!
どうして…っ、どうして私が消えかけてるの!!? 私は………っ」
梨帆が今まで聞いたことのないような怒りを含んだ大きな声と、見たことのないような剣幕で怒鳴る。段々と、梨帆の像が薄くなっていく。姿が消えていく。
大きく息を吸い込むと、梨帆は死神の方を向きながら、叫んだ。
「私は……、私はこいつを選んだのに!!!」
その瞬間、梨帆が消えた。
――最後に私に人差し指を向けて。