ラ イ ア  ー 《 嘘 》


でも、死神はそんな私に容赦なく、淡々と言葉を浴びせた。


「…俺がお前の前に現れたあの日だ。
あの選択を俺が持ちかけたのはお前だけじゃない。
他の三人にも同じ選択を持ちかけた」

「……え」


うそだ。そんな……

死神が現れたのは、私の前だけじゃなかったの…、?


「あの選択を持ちかけて、散々迷っていたのはお前だけだった。
他の三人はすぐに一方を選択した。


――自分以外の奴を犠牲にする方をな」


死神が笑う。
紅い口元を歪めて、笑う。







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