ラ イ ア  ー 《 嘘 》



「お前は全く知らないようだから教えてやろう。

あの藤野梨帆とかいう女は、どうやら斉藤陸という男に好意を寄せていたようだぞ」


「ッ!?」


…梨帆?
あの梨帆が、陸の事を……好き?


「藤野梨帆は斉藤陸という男と恋仲のお前を憎んでいた。それもかなり長い間な。
だから選択を持ちかけた時も、藤野梨帆は迷い無く偽りの『親友』のお前を犠牲に選んだ。藤野梨帆にとって、お前、『木崎沙菜』という存在は、邪魔でしかなかったんだよ」


――『木崎沙菜』という存在は邪魔でしかなかったんだよ

――『私は……、私はこいつを選んだのに!!!』


蘇る。

最後に私を指差して、消えていった梨帆の姿が。




< 97 / 101 >

この作品をシェア

pagetop