ラ イ ア ー 《 嘘 》
「お前は全く知らないようだから教えてやろう。
あの藤野梨帆とかいう女は、どうやら斉藤陸という男に好意を寄せていたようだぞ」
「ッ!?」
…梨帆?
あの梨帆が、陸の事を……好き?
「藤野梨帆は斉藤陸という男と恋仲のお前を憎んでいた。それもかなり長い間な。
だから選択を持ちかけた時も、藤野梨帆は迷い無く偽りの『親友』のお前を犠牲に選んだ。藤野梨帆にとって、お前、『木崎沙菜』という存在は、邪魔でしかなかったんだよ」
――『木崎沙菜』という存在は邪魔でしかなかったんだよ
――『私は……、私はこいつを選んだのに!!!』
蘇る。
最後に私を指差して、消えていった梨帆の姿が。