私と晴明と百鬼夜行
「へいへい」






ムゥと頬を膨らませながら自分の羽織に着替えた。






「そういえば師匠。なぜ安倍晴明に会いに行くんですか?」






「いや、用があるのは晴明ではない。賀茂忠行どのに用があるのだ」






「へぇー……あ、見えてきましたよ」






目の前にあるのは立派なたてもの。






「お前は静かにしてろよ、お前が話すと面倒なことになるから」






その言葉に少しムッとする。






「わかりましたっ!」






そういうと私は駆け出した。






もしかしたら、会えるかもしれない。






天才陰陽師、安倍晴明に――――






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