裸とスーツ 【密フェチ】
「俺の方がガマンしてた。会社でもずっとユキナさんに触れたくて、やっと二人きりになれたのに焦らされて」
衣擦れの音。乱れる呼吸。はずされてゆく服のボタン。
それは、濃密な時間がこれから始まるという合図――のはずなのに
なぜか彼の方は、脱ぐ気配をちっとも見せなくて。
「どうして……?」
上気した顔で見上げて尋ねると
「だってユキナさん、俺よりスーツが好きなんでしょ?」
そんな返事と共に、意地悪な笑み。
「違――」
反論は唇で閉じこめられ、みるみるうちに服を剥ぎ取られてゆく。