《短編》空を泳ぐ魚2
「遅ぇよ。」
壁に背中を預けて腕を組む俺を素通りし、清水は英語科資料室のデスクに座る。
返事も聞こえず俺は、ため息を混じらせながら少し重くなった扉を閉めた。
ついでに、ガチャッと鍵も閉めちゃって。
「…何やってんの?」
「見られちゃマズいだろ?」
そう言って俺は、資料の日焼け防止のためにある、
全ての窓に取り付けられた遮光カーテンを隙間なく閉めた。
そして、デスクに腰掛ける清水のもとに近づいて。
キスを落とそうとした瞬間、鼻の頭を引っ張られた。
「イーッ!
離せ、頼むから!!」
「…さっきの、何のつもりよ。」
女王様はデスクの上で足を組み、そして腕を組んで俺を睨み付ける。
涙目になりながらも、一応いつも通りっぽくて胸を撫で下ろした。
「…お前こそ、どーゆつもり?
“辞めても良い”とか、俺が許さねぇぞ?」
「―――ッ!」
デスクに両手をついてその顔に自分の顔を近づけた瞬間、
清水は逸らすように視線を落とした。
ほこりっぽくてカビ臭い、薄暗い部屋。
遠くで聞こえる生徒達の声も耳には入らないほどに、清水の真意が気掛かりだ。
「…ずっと答えない、って?」
「―――ッ!」
瞬間、俺はその顔をこちらに向かせるように頬に手を添え、
そして唇を合わせて舌を捩じ込んだ。
「…ちょっ、やめて…!」
「―――ッ!」
本気で嫌そうにそう言った清水は、俺の体を押そうと抵抗して。
地味にショックで俺は、身を引いて顔を俯かせた。
壁に背中を預けて腕を組む俺を素通りし、清水は英語科資料室のデスクに座る。
返事も聞こえず俺は、ため息を混じらせながら少し重くなった扉を閉めた。
ついでに、ガチャッと鍵も閉めちゃって。
「…何やってんの?」
「見られちゃマズいだろ?」
そう言って俺は、資料の日焼け防止のためにある、
全ての窓に取り付けられた遮光カーテンを隙間なく閉めた。
そして、デスクに腰掛ける清水のもとに近づいて。
キスを落とそうとした瞬間、鼻の頭を引っ張られた。
「イーッ!
離せ、頼むから!!」
「…さっきの、何のつもりよ。」
女王様はデスクの上で足を組み、そして腕を組んで俺を睨み付ける。
涙目になりながらも、一応いつも通りっぽくて胸を撫で下ろした。
「…お前こそ、どーゆつもり?
“辞めても良い”とか、俺が許さねぇぞ?」
「―――ッ!」
デスクに両手をついてその顔に自分の顔を近づけた瞬間、
清水は逸らすように視線を落とした。
ほこりっぽくてカビ臭い、薄暗い部屋。
遠くで聞こえる生徒達の声も耳には入らないほどに、清水の真意が気掛かりだ。
「…ずっと答えない、って?」
「―――ッ!」
瞬間、俺はその顔をこちらに向かせるように頬に手を添え、
そして唇を合わせて舌を捩じ込んだ。
「…ちょっ、やめて…!」
「―――ッ!」
本気で嫌そうにそう言った清水は、俺の体を押そうと抵抗して。
地味にショックで俺は、身を引いて顔を俯かせた。