《短編》空を泳ぐ魚2
「…ナ、セナ!
聞いてんのかよ?」
「えっ、ごめん。」
ハッとして顔を上げると、誠がポテトを咥えて不機嫌そうにあたしを睨んでいた。
見渡せば、ファーストフード店の店内で。
そう言えば、と。
「てゆーか誠、何か楽しそうだね。」
先ほど、テンションの高い誠に呼び出されたのだった。
“奢ってやる!”なんて、明日は雪か、雷か。
「…まぁね。
最近、ちょっと気になる人が居てさぁ!」
誰かの顔を思い浮かべたのだろう誠は、嬉しそうにそう言った。
あたしとのテンションの違いについていけず、
曖昧に笑いながらポテトに横から手を伸ばす。
「…良いね、アンタは楽しそうでさぁ。」
「セナは?
そろそろフリー卒業したら?」
“タクちん辺りと付き合えば?”と誠は、まるで他人事で。
「…あたし、束縛されたくないし。
てゆーより、そんなことで悩んでる場合じゃないし。」
「ふ~ん。
何か知らねぇけど、頑張れよ?」
誠のこーゆーところは、結構好きだ。
馬鹿だからか、興味がないからか。
詮索しないでくれるから、誠とは“友達”を続けられる。
「良いよ、あたしのことなんて。
それより聞かせてよ、誠の恋の相手!」
無理やりに笑顔を作りあたしは、話を変えた。
思い出したようにまたニヤける誠に、ホッと胸を撫で下ろす。
聞いてんのかよ?」
「えっ、ごめん。」
ハッとして顔を上げると、誠がポテトを咥えて不機嫌そうにあたしを睨んでいた。
見渡せば、ファーストフード店の店内で。
そう言えば、と。
「てゆーか誠、何か楽しそうだね。」
先ほど、テンションの高い誠に呼び出されたのだった。
“奢ってやる!”なんて、明日は雪か、雷か。
「…まぁね。
最近、ちょっと気になる人が居てさぁ!」
誰かの顔を思い浮かべたのだろう誠は、嬉しそうにそう言った。
あたしとのテンションの違いについていけず、
曖昧に笑いながらポテトに横から手を伸ばす。
「…良いね、アンタは楽しそうでさぁ。」
「セナは?
そろそろフリー卒業したら?」
“タクちん辺りと付き合えば?”と誠は、まるで他人事で。
「…あたし、束縛されたくないし。
てゆーより、そんなことで悩んでる場合じゃないし。」
「ふ~ん。
何か知らねぇけど、頑張れよ?」
誠のこーゆーところは、結構好きだ。
馬鹿だからか、興味がないからか。
詮索しないでくれるから、誠とは“友達”を続けられる。
「良いよ、あたしのことなんて。
それより聞かせてよ、誠の恋の相手!」
無理やりに笑顔を作りあたしは、話を変えた。
思い出したようにまたニヤける誠に、ホッと胸を撫で下ろす。