《短編》空を泳ぐ魚2
「…そっか、大体の理由はわかった。
あの女、やっぱムカつくね。」
一通りの話を聞き終えあたしは、屋上でため息を漏らした。
“迷惑”だなんて、あの女が言いそうなことだ。
どうせ、あたしのこともそんな風に思ってるに違いない。
「…あの女の話はもぉ良いよ。
それよりセナ、頼みあるんだ。」
「何?」
うんざりした声でそう告げた誠は、突然に言って。
あたしは首をかしげた。
「…お前のクラスの副担任…岡部にさ、“サンキュー”って言っといて。」
「何で…あたしが!」
「俺、キャラじゃねぇし!
なぁ、頼んだぞ?」
強引にそう言って誠は、通話を終了させた。
無理やりにそんなことを押し付けられたって困る。
頭を抱えあたしは、その場にうずくまった。
誠の話から察するに、お礼を言いたいのはあたしだって一緒だけど。
だけど相手があの男となれば、話は別だ。
あたしは今、話なんてしたくないのに。
―ピーンポーン…
散々迷った末にあたしは、結局岡部の家に来てしまった。
チャイムを押すことに緊張したのなんか、初めてだった。
―ガチャッ…
「…セナ…」
頭の上から、あたしの名前を呼ぶ優しい声が聞かれて。
何も言えずあたしは、顔を俯かせたまま。
「入れよ。」
「…良い。
大体のことは電話で聞いたし、誠からアンタにお礼言ってくれって言われただけだから。」
入って、いつもみたいに無理やりヤられたくないし。
あの女、やっぱムカつくね。」
一通りの話を聞き終えあたしは、屋上でため息を漏らした。
“迷惑”だなんて、あの女が言いそうなことだ。
どうせ、あたしのこともそんな風に思ってるに違いない。
「…あの女の話はもぉ良いよ。
それよりセナ、頼みあるんだ。」
「何?」
うんざりした声でそう告げた誠は、突然に言って。
あたしは首をかしげた。
「…お前のクラスの副担任…岡部にさ、“サンキュー”って言っといて。」
「何で…あたしが!」
「俺、キャラじゃねぇし!
なぁ、頼んだぞ?」
強引にそう言って誠は、通話を終了させた。
無理やりにそんなことを押し付けられたって困る。
頭を抱えあたしは、その場にうずくまった。
誠の話から察するに、お礼を言いたいのはあたしだって一緒だけど。
だけど相手があの男となれば、話は別だ。
あたしは今、話なんてしたくないのに。
―ピーンポーン…
散々迷った末にあたしは、結局岡部の家に来てしまった。
チャイムを押すことに緊張したのなんか、初めてだった。
―ガチャッ…
「…セナ…」
頭の上から、あたしの名前を呼ぶ優しい声が聞かれて。
何も言えずあたしは、顔を俯かせたまま。
「入れよ。」
「…良い。
大体のことは電話で聞いたし、誠からアンタにお礼言ってくれって言われただけだから。」
入って、いつもみたいに無理やりヤられたくないし。