《短編》空を泳ぐ魚2
きっともぉ、言い訳の仕様もないのだろう。
大っ嫌い、と。
言われたに等しいのだから。
一瞬にして、教師って立場なんかどうでも良くなって。
そもそも俺は、腰掛け程度で就職しただけだったのに。
クビにしたいなら、すれば良い。
もぉそれで、アイツの姿を探さなくて良いのなら、それだけで良いじゃないか。
教員免許さえあれば、塾の講師にだってなれるし、英語教室だって開けるんだ。
これほどまでに、惨めにひとりの女に執着なんてしたくなかった。
そんな自分が、嫌で嫌で堪らなかった。
いつの間にか体裁ばかりを気にしていた自分も、何もかも。
もっと早く、こんな仕事なんか辞めて、ちゃんと伝えれば良かったんだ。
そうすれば、結果は変わっていたはずだったのに。
理由つけて繋ぎ止めるような真似なんて、しなきゃ良かったんだ。
そんな自分が、一番醜くて。
執着なんて、したくなかったのに…
「…セナぁ…」
気付けば俺は、アイツの名前を呟いていた。
その瞬間、余計に胸が締め付けられて。
体を支えることも出来ずもたれ掛かった本棚から、
先ほど片付けたはずの資料がバサバサと音を立てて散らばった。
きっともぉ、何もかもを取り戻せない。
俺が学校辞めれば、お前はちゃんと授業に出てくれんのかなぁ。
就職なんかどうにでもなるけど、お前はちゃんと卒業しろよ。
俺なんかより、もっと良い男と結婚でもしてさぁ。
そっか…
俺、こんなんだから選ばれねぇんだよ…
大っ嫌い、と。
言われたに等しいのだから。
一瞬にして、教師って立場なんかどうでも良くなって。
そもそも俺は、腰掛け程度で就職しただけだったのに。
クビにしたいなら、すれば良い。
もぉそれで、アイツの姿を探さなくて良いのなら、それだけで良いじゃないか。
教員免許さえあれば、塾の講師にだってなれるし、英語教室だって開けるんだ。
これほどまでに、惨めにひとりの女に執着なんてしたくなかった。
そんな自分が、嫌で嫌で堪らなかった。
いつの間にか体裁ばかりを気にしていた自分も、何もかも。
もっと早く、こんな仕事なんか辞めて、ちゃんと伝えれば良かったんだ。
そうすれば、結果は変わっていたはずだったのに。
理由つけて繋ぎ止めるような真似なんて、しなきゃ良かったんだ。
そんな自分が、一番醜くて。
執着なんて、したくなかったのに…
「…セナぁ…」
気付けば俺は、アイツの名前を呟いていた。
その瞬間、余計に胸が締め付けられて。
体を支えることも出来ずもたれ掛かった本棚から、
先ほど片付けたはずの資料がバサバサと音を立てて散らばった。
きっともぉ、何もかもを取り戻せない。
俺が学校辞めれば、お前はちゃんと授業に出てくれんのかなぁ。
就職なんかどうにでもなるけど、お前はちゃんと卒業しろよ。
俺なんかより、もっと良い男と結婚でもしてさぁ。
そっか…
俺、こんなんだから選ばれねぇんだよ…