《短編》空を泳ぐ魚2
「…もぉ大丈夫だから、顔上げろよ。」
優しく言う俺に清水は、恐る恐る顔を上げて。
涙を溜めた瞳を拭ってやった。
「離して!」
ハッとしたように清水は声を上げ、俺から急いで体を離して。
瞬間に、そのぬくもりが消える。
「…何でアンタが…あたしを助けるのよ…!」
顔を俯かせた清水はまた声を震わせて。
「…だって、しょうがねぇじゃん。
お前のこと好きだから…しょうがねぇじゃんか…」
「―――ッ!」
恐る恐る顔を上げた清水は、目を見開いて俺を捕える。
とても信じられないとでも言いたいのだろう。
「…いい加減、俺の言うこと信じてくれよ…」
どんな時でも彼女は、泣いたりなんかしなかったのに。
その痛々しいほどの姿に、ただ胸が締め付けられて。
何でも良いから傍に居たかった。
ゆっくりと近づき俺は、再びその体を抱き締めて。
やっぱり震えているのかと思うと、不意に俺の服を握り締めて。
その細い腕に、少しだけ安心することが出来た。
「…プリン忘れてんだけど、取りに来てくれない?
ほら、賞味期限もヤバいしさぁ。」
口元を緩ませる俺に顔を上げた清水は、諦めたように力なく笑って。
「ねぇ。」
「ん?」
顔を傾け瞬間、耳を引っ張られた。
久々のそれに俺は、イーッと声を上げて。
ある意味ショックで、言葉も出ない。
優しく言う俺に清水は、恐る恐る顔を上げて。
涙を溜めた瞳を拭ってやった。
「離して!」
ハッとしたように清水は声を上げ、俺から急いで体を離して。
瞬間に、そのぬくもりが消える。
「…何でアンタが…あたしを助けるのよ…!」
顔を俯かせた清水はまた声を震わせて。
「…だって、しょうがねぇじゃん。
お前のこと好きだから…しょうがねぇじゃんか…」
「―――ッ!」
恐る恐る顔を上げた清水は、目を見開いて俺を捕える。
とても信じられないとでも言いたいのだろう。
「…いい加減、俺の言うこと信じてくれよ…」
どんな時でも彼女は、泣いたりなんかしなかったのに。
その痛々しいほどの姿に、ただ胸が締め付けられて。
何でも良いから傍に居たかった。
ゆっくりと近づき俺は、再びその体を抱き締めて。
やっぱり震えているのかと思うと、不意に俺の服を握り締めて。
その細い腕に、少しだけ安心することが出来た。
「…プリン忘れてんだけど、取りに来てくれない?
ほら、賞味期限もヤバいしさぁ。」
口元を緩ませる俺に顔を上げた清水は、諦めたように力なく笑って。
「ねぇ。」
「ん?」
顔を傾け瞬間、耳を引っ張られた。
久々のそれに俺は、イーッと声を上げて。
ある意味ショックで、言葉も出ない。