《短編》空を泳ぐ魚2
ⅩⅠ
昨日のあたしは、絶対どうかしてたんだ。
きっと、知らない間に頭でも打ったに違いない。
いやもしかしたら、ジュースと間違えてアルコールを口にしたのかも。
だからあたしは、変だったんだ。
そう思わなければ、やってられない。
「セナー♪」
朝っぱらからテンションの高い誠が、あたしを見つけて駆け寄って来て。
「…俺は可愛い妹のために、昨日見たことは他言しないからな?
大丈夫、俺は口は堅いのだ!」
「…何のこと言ってんの?」
どうやら誠も、頭をぶつけてしまったらしい。
あたしはこんな馬鹿の“妹”になった覚えはないし、
人に言えない秘密もない。
何だかよくわからないことを言う誠に、余計にため息ばかりが増えて。
「おっ、岡部じゃん!」
「―――ッ!」
瞬間、口元を引き攣らせた。
願いとは正反対に、来てほしくもないのに誠が声を掛けた所為で、
岡部がこちらに気付いて。
「おはよう。」
作ったような顔で、爽やかに挨拶をされてしまって。
面倒なのであたしは、背中にある窓の外に視線を移すようにして目を逸らした。
「岡部の秘密は、この俺様が握った!」
ガハハッと笑う誠の声が、賑わいをみせる廊下に響いて。
「…なぁ、白石。
今この場で、てめぇの持ち物検査してやっても良いんだぞ?」
「なっ、卑怯だぞ?!」
声を潜めた岡部に、誠は瞬間に焦り始めて。
何だか面倒になりあたしは、その場から逃げるように教室に向かった。
きっと、知らない間に頭でも打ったに違いない。
いやもしかしたら、ジュースと間違えてアルコールを口にしたのかも。
だからあたしは、変だったんだ。
そう思わなければ、やってられない。
「セナー♪」
朝っぱらからテンションの高い誠が、あたしを見つけて駆け寄って来て。
「…俺は可愛い妹のために、昨日見たことは他言しないからな?
大丈夫、俺は口は堅いのだ!」
「…何のこと言ってんの?」
どうやら誠も、頭をぶつけてしまったらしい。
あたしはこんな馬鹿の“妹”になった覚えはないし、
人に言えない秘密もない。
何だかよくわからないことを言う誠に、余計にため息ばかりが増えて。
「おっ、岡部じゃん!」
「―――ッ!」
瞬間、口元を引き攣らせた。
願いとは正反対に、来てほしくもないのに誠が声を掛けた所為で、
岡部がこちらに気付いて。
「おはよう。」
作ったような顔で、爽やかに挨拶をされてしまって。
面倒なのであたしは、背中にある窓の外に視線を移すようにして目を逸らした。
「岡部の秘密は、この俺様が握った!」
ガハハッと笑う誠の声が、賑わいをみせる廊下に響いて。
「…なぁ、白石。
今この場で、てめぇの持ち物検査してやっても良いんだぞ?」
「なっ、卑怯だぞ?!」
声を潜めた岡部に、誠は瞬間に焦り始めて。
何だか面倒になりあたしは、その場から逃げるように教室に向かった。