《短編》空を泳ぐ魚2
それから急いで、父親に電話をした。
印刷会社の件はちゃんと謝り、そして今日のことを伝えた。
どうなるのかはわからないが、あたしは何でも良いから音楽に携わって居たいんだ。
やっとあたしは、夢が出来た。
目標は、誠のバンドをメジャーにすることだ。
タクちんの歌声を、みんなが作り上げた音楽を、
もっと多くの人に聴いてもらいたいから。
寡黙な父親は、あたしの支離滅裂な言葉を理解してくれたのか、
“わかった”と一言だけ言ってくれた。
初めてあたしは、父親に“ありがとう”と告げて。
照れくさくてすぐに電話を切ってしまったが、
きっとちゃんと伝わっているのだろうと思った。
電話をしていた足で、気付いたら岡部の家の前に立っていて。
ついでだから、チャイムを押して。
―ピーンポーン…
「セナ!」
ガチャッと開いた瞬間、岡部はあたしの姿を見つけて抱きついて来て。
気分が良かったので今日は、許してやった。
「ねぇ!
アンタもあたしの白タイツ探すの手伝ってよ!」
「は?」
これであたしの王子様が見つかれば、オールオッケイで。
「え、どっかで売ってんの?
つーか、白タイツってセナちゃんが履くの?」
「…何言ってんの?」
「いや、お前こそ何言ってんだよ。」
首をかしげながら岡部は、あたしを部屋の中へと招き入れた。
コイツは白タイツなんて似合わないので、あたしの王子様とかではないはずだ。
ならば、一緒に探すのを協力して欲しいのだけれど。
王子様がお店に売ってるだなんて、聞いたこともない。
印刷会社の件はちゃんと謝り、そして今日のことを伝えた。
どうなるのかはわからないが、あたしは何でも良いから音楽に携わって居たいんだ。
やっとあたしは、夢が出来た。
目標は、誠のバンドをメジャーにすることだ。
タクちんの歌声を、みんなが作り上げた音楽を、
もっと多くの人に聴いてもらいたいから。
寡黙な父親は、あたしの支離滅裂な言葉を理解してくれたのか、
“わかった”と一言だけ言ってくれた。
初めてあたしは、父親に“ありがとう”と告げて。
照れくさくてすぐに電話を切ってしまったが、
きっとちゃんと伝わっているのだろうと思った。
電話をしていた足で、気付いたら岡部の家の前に立っていて。
ついでだから、チャイムを押して。
―ピーンポーン…
「セナ!」
ガチャッと開いた瞬間、岡部はあたしの姿を見つけて抱きついて来て。
気分が良かったので今日は、許してやった。
「ねぇ!
アンタもあたしの白タイツ探すの手伝ってよ!」
「は?」
これであたしの王子様が見つかれば、オールオッケイで。
「え、どっかで売ってんの?
つーか、白タイツってセナちゃんが履くの?」
「…何言ってんの?」
「いや、お前こそ何言ってんだよ。」
首をかしげながら岡部は、あたしを部屋の中へと招き入れた。
コイツは白タイツなんて似合わないので、あたしの王子様とかではないはずだ。
ならば、一緒に探すのを協力して欲しいのだけれど。
王子様がお店に売ってるだなんて、聞いたこともない。