《短編》空を泳ぐ魚2
「あ、それから卒業したら旅行行こうよ!」
まぁ良いやとあたしは、次の言葉を投げて。
「…良いけど、どこ?」
「海外!」
「は?!」
ついでだし、うちの熱帯魚たちも逃がしてあげなきゃ。
どうせなら、海外の綺麗な海が良いのだけれど。
「新婚旅行?」
「…何言ってんの?」
「いや、何かもぉ、今日はいつもに増して会話噛み合ってないっつーか。
何でそんなに楽しそうなの?」
頭を掻きながら岡部は、ベッドに腰を降ろしたあたしに覆い被さって。
何をする気なのか知らないが、とりあえず耳を引っ張っておいた。
「そう、それ。
魚を見つけてね、そしたら魔女の呪いが解けたんだよ!
しかも、夢を見つけてね、だからあとは白タイツだけじゃん?」
「…ごめん、全然理解出来ないや。
てゆーか、痛いし。」
「何で?」
キョトンと聞くあたしに、先ほど引っ張られた耳を押さえながら岡部は、
泣きそうな顔でため息を混じらせて。
「あ。」
瞬間、目に入った物にあたしは、眉をひそめた。
机の上に広げられているのは、刺身のパックだ。
「えっ、いや、これはな?
そう、強盗に入られて、そいつが残して行ったっつーか!」
「うるさい。」
明らかに嘘を並べている顔を一蹴し、口を尖らせた。
先ほどまでの良い気分が台無しになってしまって。
感謝しなければならない魚を食べるなんて、信じられない。
「ちょっ、セナ待って!!」
「馬鹿、恩知らず!」
それだけ吐き捨て、さっさと岡部の家から出た。
あんなヤツは、とりあえず当分無視だ。
まぁ良いやとあたしは、次の言葉を投げて。
「…良いけど、どこ?」
「海外!」
「は?!」
ついでだし、うちの熱帯魚たちも逃がしてあげなきゃ。
どうせなら、海外の綺麗な海が良いのだけれど。
「新婚旅行?」
「…何言ってんの?」
「いや、何かもぉ、今日はいつもに増して会話噛み合ってないっつーか。
何でそんなに楽しそうなの?」
頭を掻きながら岡部は、ベッドに腰を降ろしたあたしに覆い被さって。
何をする気なのか知らないが、とりあえず耳を引っ張っておいた。
「そう、それ。
魚を見つけてね、そしたら魔女の呪いが解けたんだよ!
しかも、夢を見つけてね、だからあとは白タイツだけじゃん?」
「…ごめん、全然理解出来ないや。
てゆーか、痛いし。」
「何で?」
キョトンと聞くあたしに、先ほど引っ張られた耳を押さえながら岡部は、
泣きそうな顔でため息を混じらせて。
「あ。」
瞬間、目に入った物にあたしは、眉をひそめた。
机の上に広げられているのは、刺身のパックだ。
「えっ、いや、これはな?
そう、強盗に入られて、そいつが残して行ったっつーか!」
「うるさい。」
明らかに嘘を並べている顔を一蹴し、口を尖らせた。
先ほどまでの良い気分が台無しになってしまって。
感謝しなければならない魚を食べるなんて、信じられない。
「ちょっ、セナ待って!!」
「馬鹿、恩知らず!」
それだけ吐き捨て、さっさと岡部の家から出た。
あんなヤツは、とりあえず当分無視だ。