オレ様な先輩に恋をした!?
 
 「聞いてやるからいってみ?」

 イヤ…あの…

 話す事はないのですが…


 「あの…! たいして話すことは無かったんですけど…」

 動揺しすぎて、急に声が大きくなってしまった。


 「でも…先輩の声が聞きたくて…」


 耳元に少し近づけてわざと小さく言った。

 「そっか…」

 「はい…」

 なんで、何も言ってくれないの…?

 
 ある意味ドキドキしてきた…。

 
 そのドキドキを押さえようと制服を掴む手に力が入る。


 「お前さ…それ計算かよ」

 「へ?」

 なんのこと…?

 「急に力いれんな」

 照れ隠しかのようにボソッとつぶやく。

 耳元でそんなこと言わないでください…!

 パッと手の力を緩めた。

 「キスしていい?」

 抱きしめる手を離したかと思ったらそんな事を言い出す先輩。

 
 そーいうことは聞かないでくださいよ…!

 恥ずかしい…


 「いい…です…」

 
 でも、

 先輩にキスされるのはイヤじゃない。

 「合格…」

 「え…」

 
 どういうことか聞こうと思ったのに口を塞がれてしまった。

 先輩の唇で…


 「ん…」

 首の後に手を当てて押さえながら押し付けてくる。

 
< 11 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop