オレ様な先輩に恋をした!?

 キュッと裾を握る。


 
 「先輩の方が、素直じゃないです…」


 ちょっと落ちつた頃

 あたしのくちからそんな言葉が出てきた。


 「え…?」


 「やっぱり…なんでもないです…!」


 あたし、なに言っちゃってるんだろう…

 今更恥ずかしくなってくる…


 「オレが素直じゃないって?」


 納得いかないようないい方。


 それもそうだよね…


 いきなりそんな事言われてもね…


 「なんでもないですよ…」


 「オレはいつでも素直だけど?」


 「え…?」

 
 顔を近づけてきたのか


 先輩の髪があたしの耳に触れて

 すごく、くすぐったい…。


 「わかってんだろ?」


 その言葉と同時に授業開始のチャイムがなった。


 派手になるチャイムが耳に入らないくらい

 あたしの頭はフリーズしていたんだと思う。


 


 
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