君がいた奇跡
「またやったよ。
話しながら編むと、ダメなんだね」


結衣は少しだけ怒りながら、俺の指に絆創膏を貼る。



「翔のおかげで毎日、絆創膏持って来なきゃいけないよ」


「ごめん、ごめん」



小さく頭を下げて謝る。




「絆創膏だらけだとハルに心配されるから、気をつけな?
ハルは意外と目ざといんだから」



結衣は怒りながらも、優しく気遣ってくれた。




俺は頷いた。
< 116 / 172 >

この作品をシェア

pagetop