君がいた奇跡
ハルが今にも消えてしまいそうで、怖かった。



離れていってしまいそうで、怖かった。





「ずっとここにいて……」


俺はむせび泣いていた。





「わからないの。
あとどれくらい、翔のそばにいられるか。
でも、『最期』が来るまで私はちゃんと
ここにいるよ」




儚くも美しいハルの横顔。



彼女の真っ直ぐな笑顔もどこか寂しそうな表情も消えてしまうのだろうか。
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