君がいた奇跡
俺の心は深い悲しみと絶望と喪失感に包まれていた。



「翔、行こう?
火葬場、行けないよ」



結衣の声で我に返る。




「あ、うん」



大型バスに乗り、火葬場に向かった。





「ハルとお別れなんだね……」


結衣は涙を拭いながら、言った。



「お別れだね……」



俺もハンカチで涙を拭う。

「俺、泣いてばっかりだ。
ハルに心配かけちゃうな」



「そうだね……」



結衣が消え入りそうな声で言った。



「ハル、昨日まで一緒にいたのに、もういないんだね」
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