君がいた奇跡
祈り
数日後、俺はハルのお墓参りに行った。

結衣や陽子さんとではなく、1人で。

「美沢家」

と書かれているお墓の前でお線香を
して、花を添え、そっと手を合わせた。

「ハル、久しぶり」

きっとハルも見てくれていると思って、
ハルに語りかけた。

「ハルは天国で幸せ?
俺は毎日、充実してるし、勉強も
真面目に頑張ってるよ。
でもね、やっぱりハルがいないと物足りない。
それで俺、ハルを失ってわかったよ。
ハルと一緒だったから、俺の世界は
光り輝いてたんだなって」

景色が魅力的に見えたのも、そばに
ハルがいたから。

そこにハルがいたから、美しかったのだ。
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