君がいた奇跡
バレないように色々な事をした。

翔や結衣と話す時は明るく振る舞って、
腫れた目を隠すためにほんの少しだけ
濃いメイクをし、涙が出そうになった
時は、笑うように心がけた。

大切な2人に嘘をついている罪悪感、
卑怯な自分への嫌悪感などの感情と
戦いながら、隠し続けた。

「ハルさ、何か隠し事してない? 」

ある日、結衣に言われた。

「何だか、不自然なんだよね」

翔も共感する。

「そんな風に見える? 」

動揺しながら、聞く。
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