君がいた奇跡
「えっ? 」

翔は飲み込めないようだった。

構わず、言葉を続ける。

「治らないよ!
翔に私の何がわかるの?
ねえ、どうしてそんな事が
言えるの? 」

これではただの八つ当たり。

翔に当たってはいけない。

頭ではわかっていても、身体が
言う事を聞いてくれない。

「出ていって」

私は翔に冷たく言い放った。

「そっか……
もう邪魔しないから」

翔は深く傷ついたような表情を
して、病室を出て行った。
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